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イタリアの社会問題解説

イタリア在住17年の筆者が、イタリア現地からイタリアの社会問題を読み解きます

日本人はイタリアでいじめにあいやすい?その理由と対策

日本人はイタリアでいじめられやすい?

 

日本人がイタリアでいじめに合うことは結構あるようで、私も時々相談を受ける。

 

教養が低い田舎のイタリア人で、性格が悪い人などは、あからさまに人種差別をしてきくるひとは、時々いる。

日本でも外国人差別はあるのだから、それも理解できないことではない。

 

教養の高い人に関してはあからさまにそういうことをするひとはまずいない。

ナチスの歴史を経たヨーロッパで人種差別は犯罪と見られているため、

それをあからさまにやったら人間的に終わっているとみなされる。

 

今日はそれとは別に、近所の人や職場の人からのいじめについて。

近所付き合いや、同じアパート内で人間関係が悪くなるほど居心地の悪いことない。

これは日本イタリア問わず、どこでも何人でも同じこと。

あまりに関係が悪くなると、引っ越す以外に解決策がなくなり、費用・労力ともに奪われる。

さらに引っ越した先でも同じような目にあうとすれば…?

これは、もうその国を逃げ出したくなっても仕方ない。

 

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なぜヨーロッパで日本人に対するいじめが起こるのか

先にも申し上げたように、ここでは人種差別に伴ういじめを対象にせず、それでも日本人が虐めにあってしまう理由について考えたい(ちなみに私は攻撃的性格も幸いして、いじめにあったことはない)。

思うには、いじめにあいやすい日本人は、謙遜文化を身に着けているということである。

イタリアでは、よっぽどの宗教家や高徳な世捨て人でないかぎり、謙遜文化は基本、存在しない。

皆、我が我が、と自我を押しとおす、謙遜とは正反対の態度をとるのが通常である。

 

謙遜していると、自分の弱さを自ら認めた敗北者とみなされる危険があるからだ。

そういう弱い(弱く見える)人を自分の子分にして、利用しよう、という、ドラえもんジャイアンのようなひとが、割と普通にいる。

 

そのような輩は、子分を利用できないとなると、腹を立てていじめるようになる。

 

すなわち、低く見られると、利用されるか、いじめられることがままあるのが、イタリアを始めとするヨーロッパの階級社会なのだ。

なので、いつも高飛車くらいの態度をとって、私は階級が上ですよ、くらいの態度でいたほうが事なきをえる。

 

そんなイタリアにも実はある、「へりくだりの精神」の中身

イタリアに謙遜の文化が全く無いかと言えば、実はそうでもない。

 

イタリア語ではへりくだっていることは"umile (ウミレ)"といい、そのイメージはキリスト教の人物、アブラハム聖母マリアイエス・キリストだ。

 

アブラハムのへりくだりの例

アブラハムは清く正しい人だったが、神がその信仰を試そうと、彼の一人息子をいけにえに捧げることを要求した。

アブラハムは一人息子を自分以上に大切にしていたため、神の理不尽な要求に苦しんだが、最終的に自分の息子を生贄に差し出すことをきめる。

それは彼がへりくだっている(umile)だからだ。

 

聖母マリアのへりくだりの例

聖母マリアは、貧しい結婚を間近に控えた女性だったが、天使による受胎告知を経て、それに抗わずに受け入れた。

なぜなら、彼女はへりくだっているからだ。

 

イエス・キリストのへりくだりの例

イエス・キリストは罪がないのに、十字架につけられ処刑されるが、それを受け入れる。

なぜならへりくだっている(umile)だからだ。

 

このように、イタリアにも謙遜の観念はある。

しかし、上述のように「へりくだり」は非常に宗教的で、「謙遜」というような、日常文化の範囲内ではない。

「深き諦念」のような、神という絶対者に自分を完全に明け渡すこと、のような意味合いである。

 

このような事情なので、普段日本人と関わることになるイタリア人は、日本人の謙遜さが、まさかこのような重大な観念と結びついているとは、夢にも思わないのだ。

そしてこのようなへりくだった態度は、日常とは関係ないものだと感じ考えているのだ。

 

いじめられないようにするには

なので、イタリアには、謙遜は美徳、という考えは、生まれてから一度も聞いたことがないとしか思えないような人が、沢山いる。

そのような人に出会ったら、謙遜はせず、笑顔で堂々とふるまうことをおすすめする。

イタリア人も、謙遜な人を見ると、自信のない弱いやつ、と見て、うっかり手下にしたくなってしまうので、そんな誘惑に陥らせないよう、笑顔で堂々と振る舞うようにしましょう。